自分の足跡のキロクのためにも、やってみようかなっと。
とりあえず、パリのアトリエで培っていることを思い思いに綴っていきたいと思います。
まずはアトリエ通い始めた2008年10月からの作品を振り返ってみる。
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<座る裸婦>
初めての油絵。
そういえば、裸婦も描くのは大学の最初の頃以来だ。
この時は、すぐに混ざってしまう絵の具がすごくやり辛かった。
油絵の具は混ざれば混ざるほど、色が濁っていく。
日本画のように「きれい」に「丁寧」に描く感覚で描いてたから、絵の具が画面上でどんどん混ざっていくことに戸惑った。
まだ「空気」を表現する余裕がなく、見たものを表現するのに精一杯だった。
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<緑の静物>
続いて油絵で初めての静物。
静物は高校の時の予備校でも、大学でも嫌というほど描いたけど。。
このモチーフはいろんな違う緑があって、(トマトも最初は青かった)そこにレモンの黄色が効いててとてもさわやかな印象。
すぐ描きたいと思った。
バックの布がキレイで、つい力を入れ過ぎている。
まだまだモチーフそれぞれをちゃんと描くことに精一杯で、絵としての雰囲気づくりができていない。
最初に感じた印象を、表現できていない。
もっと自由になれたら、といつも思うけど、見ると見た物を描くことに一所懸命になってしまう。
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<踊るトウモロコシ>
トウモロコシが壁にブッ刺さっていて、なかなかキョーレツなモチーフ。
このトウモロコシ達のあちこちに突き出ている葉っぱが、何だか踊ってるみたいでかわいかった。
黄色を基調にパッションフルーツやザクロのオレンジ、赤も加わったこの情熱的な雰囲気を出したいと思った。
私にしては、葉っぱの動きが出せたと思う。
そして黒いイスだったのも暖色を引立たせるために画面の中で青に変えた。
ザクロの下にも、オレンジ色を引立たせるために架空の葉っぱを描いた。
空気感が今までよりはすこ〜し出せたと思う作品。
でも、もっとダンシング!させたらもっと良かったな、きっと。
ここでは全体を引立たせるために色を変えたり足し算引き算することを学んだ。
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<ブラジリエンヌ>
超ボインちゃんのブラジル人のモデルさん。私の中ではデカメロンちゃん。
アトリエでの裸婦2枚目。
まだ、体の色づかいが固い。見たままの色しか作れていない。
彼女の薄褐色の肌の色を、もっと美しく引立たせる色を考えなければ。
バックの布も、やや描きすぎ。
先生の的確な指導でバックの左側布の色を紫から白に変えた。
紫色が全体の邪魔をしていたから。でも、自分では気付かなかった。
そしてショッキングピンクの布の色もなかなかうまく作れず、白と赤を混ぜて四苦八苦していた。
そこへまたも先生が「もっとミステリアスに!」との助言。
青を混ぜてようやく、エキゾチックな雰囲気が少し生まれた。
こういうことも、自分で全体のバランスをを見てできるようにならなければ!
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<白の静物>
初めてのF50号の大作。(ちなみにフランスのF50号は116×89cm)
白というのは不思議なもので、絵の中で真っ白な色っていうのは大胆すぎて恐くてなかなか塗れない。
このモチーフの狙いは、黄みがかった白、青みがかった白、真っ白などを使い分けて白い世界を効果的に表現すること。
私はつい、青を多く混ぜがちで全体的に見るとグレーっぽくなっていた。
先生が「怖がらずにガツンと白を塗れ」を何度も背中を押してくれてようやく白い世界ができてきた。
黄みがかった白の使い方はまずまず。ブルーグレーの白には要注意。好きだからつい多く使ってしまいがち。
残念なのはワインの色。もっと様々な色彩を見つけ出せたらもっといい絵になったと思う。
怖がらず、もっと大胆にならなくては!
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<ムキムキマン>
初の男性モデル。
いや、正確に言うと初ではなく、既に1名アトリエには来ていたのだけど。。
ぽっちゃりされた方だったので、描く気が起きなかっただけです。スミマセン。
それに比べこのモデルさんはバッチリ鍛えた肉体美。
これは描かなければ! ってね。
筋肉がしっかりしている男の人というのは、陰影がはっきりとしていて色を見つけやすい。
この作品で今までになく、色んな色を肌に使うことが出来たと思う。
そして力強さを表現するために、筆遣いも私にしては荒めにでき、動きを出すことを少し学べた。
バックも貼ってあった紙の色を自分なりに解釈し、抽象的に処理する試みをしてみた。
この絵で初めて、モデルさんやアトリエのフランス人の生徒さんに「いいね」と言ってもらえてとても嬉しかった。
絵を自分で創っていくということを、改めて体と脳ミソで学んだ。
パイプイスだけは、どうにもできなかったけど。。
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<リンダ>
スイス出身のスレンダーな美女、リンダさん。
彼女の現代的な雰囲気に触発されて、肌の色使いやバックにも色々な色を使ってみた。
肌の白さを際立たせるために緑系と黄色かがった白を多く使ってみたけど、緑が多すぎると不健康な印象になるということがわかった。
そして白さを際立たせようとしすぎてやや、影の部分とのコントラストが強すぎる結果になった。
バックも前回のムキムキマン同様、抽象的に処理しようとしてみたがやや失敗。
色のバランスが体に対して偏っている。
先生いわく、「体と同系の色をバックにも使いなさい。バックと同系の色を体にも使いなさい。」
ここでは見て解釈しただけではなく、全体にまぶすように色を配置し調和を計ることを学んだ。
そして2008年終了。
ものすごく多くのことを発見し、体験し濃密に体と心に刻みつけた2ヶ月だった。